第38回「おりもの」の変化や量について


おりものの量で悩む前に知っておきたいこと

 おりものの悩みで多いのが「量が多い」というものです。なかなか人には相談できない悩みですし、いつもより分泌量が多い時には、どこかに異常があるのではないかと心配になってしまう人も多いことでしょう。

 悩む前にまず理解しておきたいのは、おりものの量は非常に個人差が大きく、また多いと感じるかどうかも主観に左右される部分があるので、正常かどうかをチェックするのは難しいということです。

 目安として、おりものシートだけでカバーできる範囲であれば、基本的に悩む必要はありません。

おりものシートは必要に応じて使用し、こまめに替えて清潔を保つようにしましょう。

 また、ビデの過剰な使用にも要注意。トイレに行くたびにビデで洗うなどの過度な洗浄は、膣内の「善玉菌」まで洗い流してしまいます。

この善玉菌は雑菌の繁殖を抑える働きを担っているので、この善玉菌がいなくなったり不足したりすると膣内の抵抗力が低下し、感染を起こしたり異常なおりものが出たりといったことが起こります。

 

<おりものの量とホルモンの働き>

 おりものが出ることは異常ではない。おりものが出ること自体は、少しもおかしいことではありません。

おりものには、膣内に潤いを保ち、雑菌などから守ってくれる働きがあります。

口にとっての唾液や目にとっての涙と同じような役割だと考えると分かりやすいのではないでしょうか。

 

<量は日常的に変化している>

 何の異常もなくても、おりものの量は女性ホルモンのバランスによって変化しています。

 おりものの分泌と密接に関わっているのは、女性ホルモンのひとつである卵胞ホルモンです。

卵胞ホルモンが多くなるのは排卵期ですから、生理と生理のちょうど中間ぐらいの時期におりものが増えることは、まったくもって正常な反応だと言えます。

また、妊娠中も卵胞ホルモンの分泌量が増えるので、おりものの量は多くなります。

 

<おりものが極端に多い時は>

 ホルモンの影響以外では感染があった時、膣内に異物がある時にもおりものの量が増えることがあります。

おりものの量が急激に増えた、生理の周期に関係なく常に量が多いといった場合は要注意です。気になる時には、速やかに婦人科に相談するようにしましょう。

 

<量が多いだけの場合>

 ただ量が多いだけで、色やにおいには異常が見られない場合には「子宮膣部びらん」の可能性があります。

子宮膣部は、子宮の下部である頚部が膣内に突出した部分を指します。

子宮膣部びらんとは、この子宮膣部の表皮が欠損し下の血管が透けて赤く見える現象のことです。

こう言われると怖くなってしまう人もいるでしょうが、心配はいりません。子宮膣部びらんは病気ではないからです。

びらんは成人女性であれば約8割の人に見られるものであり、基本的に治療の必要もありません。

ほとんどの女性は無症状で過ごしますが、子宮膣部びらんは分泌物が多いびらん面が大きい状態なので、

おりものの量が増加します。また刺激に弱く、タンポンを使用した際や性交渉の際に出血しやすいという特徴もあります。

子宮膣部びらんは子宮頸がんの初期段階と見分けが難しい場合があります。

子宮膣部びらんの疑いで診察を受ける際には必ずがん検診も受けるようにしましょう。

 

<色やにおいの異常も伴う場合>

 この場合は、性感染症や子宮頸がんといった病気のサインである可能性があります。かゆみがある場合にも注意が必要です。

 

<おりものにもサイクルがある>

 女性の身体には生理のサイクルがあり、おりものもその周期によって状態が変化しています。

おりものは女性ホルモンと密接な関係にあるため、ホルモンバランスが変化するのに合わせて、おりものの状態も変わっていくのです。

おりものは生理後、排卵期、排卵後、生理前で、それぞれ異なった特徴をもっています。

つまり、おりものの状態の変化をしっかりと理解していれば、「もうすぐ排卵日」「そろそろ生理がくるかも」といった、

自分の身体のサイクルを知る目安になるのです。ここでは、そんなサイクルの中の「排卵後」のおりものについて解説します。

 

 <おりものは卵胞ホルモンに比例する>

 女性ホルモンは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2種類のホルモンから成ります。

月経周期においては卵胞ホルモンは排卵期に分泌量が増加し、排卵前にピークに達します。排卵後には入れ替わるように黄体ホルモンの分泌量が増えます。

つまり、排卵を境にしてホルモンバランスが変化するということです。

おりものの量は、卵胞ホルモンの分泌量と比例しています。排卵期になるとおりものの量が増えたように感じている人は多いかもしれませんが、

それはごく自然なメカニズムなのです。

 

<排卵後のおりものの特徴>

 それでは卵胞ホルモンの分泌が減る排卵後では、おりものの状態はどのように変化するのでしょうか。

 まず、分泌量は少しずつ減ります。生理前になるとまた増えますので、おりものの量の谷間の期間だと言えます。

状態としては、排卵期には透明でゼリー状の粘り気のあるおりものが出ますが、排卵後になると色は白く濁ってきます。

生理が近づくと少量の血が混じることもありますが、特に問題はありません。

 おりものの状態と月経周期との関係をまとめると、以下のようになります。

●生理後:血が混じり茶色っぽい。

●卵胞期:白くさらりとしている。最も量が少ない。

●排卵期:透明でゼリー状。最も量が多い。

●黄体期:次第に量が少なくなる。

●生理前:再び量が増え始める。白くて、たまに血が混じることも。

 女性の膣内から出る「おりもの」は、生理周期だけでなく体の状態によっても変化します。

そのため、よく観察することで体の状態を把握する要素にもなります。ここでは、「生理前のおりもの」について解説していきます。

 

<黄体期~生理前(月経前)のおりもの変化>

 「生理前」とは、一般的には月経が始まる数日前のことを指すことが多いですが、生理(月経)周期の中では排卵期と月経期の間、約2週間にわたる「黄体期(おうたいき)」にあたります。個人差はありますが、月経期の1週間前くらいからイライラしたり、お腹が痛くなったり、PMS(月経前症候群)の症状が出ることが多く、精神的にも身体的にも不調を感じはじめます。

 

<黄体期に起こるおりものの変化>

 ・排卵期に比べおりものの量は減っていく

・白みがかった色になる

・においが強くなっていく

・生理前は量が増え、少量の血が混じることもある

 

<生理前のおりものケアについて>

 生理がくる数日前から、おりものの量は増えていく傾向があります。

長時間の間、同じシートをつけっぱなしにしていると雑菌が繁殖し、膣炎や膀胱炎などを招く原因になるのでこまめにケアして下さい。

特に生理前はおりものの量が多くなるタイミングなので、トイレなどに行った際に、おりものが確認できたらシートを交換する、というくらいの頻度が理想です。